創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

2022-01-01から1年間の記事一覧

プロ 露仗

プロ意識だけで形骸した手を動かして露仗。 あいつが心なしか苦痛を帯びて、机に向かう、ペンを執るから、マゾヒストな野郎だと漠然に感想した。その時は単にそう思っただけだったから、揶揄おうとも気にかけようともしなかった。捉え方が違うんだよな、面倒…

セイメイ 露仗

ふふふふ…、アハアハ…。朝から拍子もわからぬ調子で露伴が笑って已まない。病的でさえある。黙って見守っていたが、そろそろ口を挟んでも良いだろうか。我慢の限界と似たもの、不安の高潮が歯止めを求めて騒いでいる。仗助は恐怖していた。とは言うが心底怯…

みかん 露仗

明日から形勢整える。BGM付小説書きはもうしない。 これおいしいのか、と露伴は疑問した。声に出して問うたので、聞いていた相手から答えがやって来る。さも自信があるらしい。にやりとして、健全な笑顔を見せてくれる。笑顔の持ち主は、おいしいに決まって…

もぐもぐ 露仗

恋愛哲学に忠実であろうとする姿勢が露仗に現実味を与えるんだよ!(実地試験中) …これは迷走している。気分悪く書き始めたもんなあ。反省 現実という参照の幅を無限に取ったパノラマの描き出す真価、早々見限って足元で紐を縛っていたかもしれない。彼は身動…

寒中食 露仗

寒い日も局所に身を置いて経験を惜しまぬ露(ノリのいいばかな露仗) 幾許か気怠そうな顔で朝食を食っていたくせに、食後一時間ほどが経過して、露伴が顔つきを変えた。仗助は呆けてそれを見ていた。今日は休日であるから暇を持て余して、何となしにスイッチを…

行脚

どこがヘタレ攻めなんだよ(怒) 至って真面目の面持ちで告げるものだから、彼は静かに戸惑った。瞼をぱちぱちと大振りに上下して、しかし眉や鼻といったパーツを歪曲させることはなく、表情にその戸惑いが見えることはなかった。 彼は相槌としてうんと言い、…

こたつ 露仗

今年一番の寒さに初対峙してこたつに籠城する露仗 灰色の雲が厚かった。冬がすぐ背後まで迫っていた。仗助は窓の外、太陽が顔を出す隙もない天空を眺め、こたつに体を潜らせた。左辺でスケッチブックを抱えて絶えず鉛筆を走らせている露伴の足をつついてみる…

読書 露仗

日本三大奇書の一、夢野久作『ドグラ・マグラ』を読み始めた露 「なあ、77ページの後ろから二行目読んでみろよ」 露伴はだらしなく床にごろ寝している仗助を見つけた。ソファにだれるなと言ったらこれだ。恐らく拗ねていると思われる。やり口がまるで幼児。…

透明化 露仗

右手首以外透明化した露伴(時間経過で可視範囲は元に戻る) 遅い。連絡なしに夕飯を忘れることは暫く無くなっていたのに。初めの頃こそマイペースを崩さぬ露伴が、取材ついでに拾い食いもとい外食を済ませて悪びれず帰宅してきたものだったが。予定を共有しろ…

ピクニック 露仗

昼飯自作を強要される仗と、ピクニック行く約束していた露(仲良し露仗) 仗助は意を決した。受話器から怒涛の罵詈が飛び出すことを覚悟した。ひとつ大きく息を吸い、腹に力を入れた。ダイヤルを回す。 「もしもーし…」 露伴邸のチャイムを押す。うちのとは違…

(露仗)

太敦に対する不遜をさらける

「妨害乱歩」 太宰と敦は肩を並べて歩いていた。登校時間である。学校へ向かって歩む。二人がどこかで待ち合わせをして現状の連れ立ちに至ったというのではないが、殆どそれに似た流れであった。詳しくは割愛するが、待ち合わせでなく待ち伏せと呼ぶに相応し…

猫の餌食え(カラー)

スーパー銭湯に通い詰めるわけにもいかない。親から出費の肩代わりを受けるとはいえ、たまには遠慮の姿勢を見せねば気まずい思いを味わうシチュエーションが幾度とやって来る。 例えばブランチを嗜もうと冷蔵庫の有り合わせを腹の足しにした際。既に胃袋に収…

漫画家とベレー帽(露仗)

きっと一週間前からなのだが、仗助が僕をまじまじと見ては関心を失ったように顔を逸らすことが度々あった。無言でにらめっこを仕掛けているのかと思い、こちらは顔の筋肉を強張らせて応戦したにも関わらず、くすりとも笑わなかった。やはりじっと熱視線を当…

大地が釣る

海原を跳ねて直進する船。私は、尖った甲板に棒立ちになり、足の裏を密着させるために常時力を込めながら前方を見ていた。先端に向かって湾曲し、数学的に結実する船首。どどどど、と聴覚は轟音に麻痺する。絶え間ない重音はエンジンの駆動するから鳴るのか…

コヤユビ(露仗)

これは、となぞなぞを問いかける口調で露伴は右手の小指を立てた。小指だけが天を指して伸びている。指切りをするときに馴染みの形だった。見ている仗助は穿る仕草で上目になり、ありありと怪しみを孕んだ声音で正解を述べた。 「小指」 「…今僕は馬鹿を見た…

コロナワクチン(露仗)

2022/9/19 あ。 意図せず喉が音を出す。露伴は慌てた素振りを気取られぬように細心の注意を払って、口を閉ざした。次いで左手が口元を隠しに来た。 バレるじゃあないか。うっかり言ってしまった然のこの姿。さっと手を下ろす。自然に見える、手の置き場を高…

タイフーン(カラー)

2022/9/19 一松は地上を見下ろしていた。切れ切れの雲が時折覗かせる、生き物を観察するためだった。一松は神の地位にいる。だからカメラなどなくとも細かい物や事が見える。顕微鏡やルーペも必要ない。 皆色々に異なった格好をしているが、揃って気取る点は…

温玉が熱くて触れない(フェイキス)

「いや、普通手を使ってやることだから」 「俺の分も出来ればキースに割ってほしい。こういう時はクソじゃなくなるんだよな」 黒髪の男は、隣で寝返りの文言を吐いた金髪を真っ黒な眼で睨んだ。金髪はぐっと言い淀んだものの、あくまで立場を変える気はない…

小石

2022/8/25 前世は人だった。 記憶持ち転生なんて、都合のいいフィクションの中の話だと思っていた。まさか自分の身に降りかかるとは。 今生は小石の欠けたやつとして生まれたが、記憶は何処に宿っているのだろうか。脳みそがあるわけでもなし、中までぎゅっ…

時代を感じた映画館(フェイキス)

2022/8/25 フェイキス©っていちゃつかねーんだよなあー。私の解釈ではさぁ。 「なんでオレ? ジュニアと行けよ」 「行けない理由さっきも話したんだけど? 耳付いてる?」 日の高い内からすでにアルコールの入ったキースを呼ぶ。ビール缶を片手に、一目瞭然…

映画館にある特別体験(ビリグレ)

2022/8/25 5年振りに映画館で映画見たあとのビリグレ© 久しく訪ねなかったモールは外装を新たにしていたし、細胞がアポトーシスを行うように、内からも店舗の改修で一新の只中であった。進行中の新旧の入れ代わりを見るのは、現在が絶賛過渡期にあることを思…

仲間はずれ

人参は電子レンジの中で回転していた。水に浸った痩躯が電子の何たるかによって茹で上がる。電子レンジの仕組みはわからないが、この機械の台頭の後、野菜を鍋に沸かした水に入れるよりも手軽というザル付きタッパーが現れて世の流れが変わった。 中華麺と一…

ロケット免許(露仗)

2022/8/6 こいつ限度ってものを知らないのか、と仗助は思った。 周囲は見知らぬ操作盤や表示画面が隙間なく埋められており、自分が映画の登場人物になったようなめまいを覚えた。 今ロケットの操縦席にいる、といえばイメージが付くだろう。露伴は小さいボタ…

マグロ(露仗)

2022/8/2 初恋もマグロの味がすると詠んだのは誰だったか。いつだったか。 流行語にノミネートされたされないで取り沙汰され、華美とグラデーションをはやし立てる若い者が文脈などそっちのけで「初恋も~」と唄っていたのがたしか、数年前。あの頃だけは笑…

耐久する露(露仗)

2022/7/27 うう、だるい、と露伴が呻いている。部屋を覗いたら既にその状態だった。学校に行っている間、こいつは何をしていたのだろうか。 全開にされた窓、仰臥している露伴、外から帰って汗だくの俺。 「よし、帰ってきたか。冷房を入れろ」 今の今まで外…

仗露ログ⑬

【対猫ストレス発散】 「たまにだ…たまに…」 「それフツーに虐待じゃねぇの?」 「自分より遥かに弱い立場のやつを圧倒して優位にあることを確かめずに居られなくなる発作が。これは病気の一種だ」 「踏み付けるの止めてやれよ、可哀想に…」 「猫が? 猫が、…

仗露ログ⑫

2022/6/11 【悩み】 ここ3日、露伴が唸っている。ずっと低い声でうんうんやっている。十中八九漫画のことだろうから俺には手も足も出ないわけだが、出来ることなら何か助けになることをしたいと思う。 …ただ、どうせ何も出来はしない。わかる。唸り通して言…

仗露ログ⑪

2022/6/9 【本物】 露「この際だから言っておくが…、僕は現実味を感じさせる嘘を作って生きている」 露「お前が僕に向けているのと同じ大きさの偽物を、僕がお前に向けている、そうすることだって出来るんだぜ?」 仗「……。んー、で、それでも良いぜとでも言…

仗露ログ⑩

2022/6/4 【明朝】 「くそ…変な時刻に目が覚めやがったな」 「まだ夜じゃねぇか…」 「おい、何でお前も起きてるんだ、不眠か?」 「露伴が起きてる気配がしてよー、ごそごそしてっから」 「僕が起きているといつも寝てないよな、何なんだ?」 「さぁ、これに…