創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

太敦に対する不遜をさらける

「妨害乱歩」
太宰と敦は肩を並べて歩いていた。登校時間である。学校へ向かって歩む。二人がどこかで待ち合わせをして現状の連れ立ちに至ったというのではないが、殆どそれに似た流れであった。詳しくは割愛するが、待ち合わせでなく待ち伏せと呼ぶに相応しい合流だった。
敦がにこやかに朝食の目玉焼きが割れてなくて嬉しかったと話すのを、こちらも微笑んで静かに相槌を打つ太宰。穏やかな空間が展開されているところへ、ある者が飛び込んできた。太宰は瞬時に表情を険しくし、警戒を隠しもしない。一方の敦は襲来に肩を震わせたものの健康そうな笑みである。
「あつしー、天丼に引っかかるなんて今時幼稚園に通う子ども相手でも滅多に見られないよ?」
天丼、というのはさらっと説明すると同じネタを複数回繰り返すことである。敦はこれで七度目となる早朝の飛び入りドッキリに引っかかっていた。外はねの黒髪を弾ませて笑っているのは江戸川乱歩敦から見れば一つ上の学年の生徒である。
敦が喉からぐるぐると音を鳴らしながら、どうやら「今度から警戒を絶やさず、驚かされないように気を付けます」とでも言おうとしているらしいのを、太宰は横目で俯瞰していた。気分良さげにして、普段から細い目を更に細くする乱歩が態とらしく太宰に目を遣り、いたのかと言う。
「ええ、居ましたよ。私の背が高すぎて見えませんでしたかねー」
「ああ、君は物理的な視野が広いようで羨ましいね。観察眼は如何なものか、あまり期待出来ないけど」
「是非期待せずに、私の実力を目にしてひっくり返ってほしいものだよ」
太宰と乱歩は同学年である。太宰は、自分が敦といると必中でこいつが現れることに内心めんどくせぇと感じている。否、内心だけでは収まらず、オーラに漂わせ、表情に滲ませ、態度に出している。敦に言わせれば、二人は高度な会話をしていて楽しそうに見えるらしい。彼が会話に付いていくのを端から諦めるせいで二人の間の実情が知れていない。楽しそうな会話などしていないことに気づいてほしいと太宰は思う。敦はまだ口をもごもごやっている。言うべき台詞の推敲作業に入った段階だろうか。
なんとなく足を振り回したくなったので、乱歩の進路を妨害してみたが、ひらりと躱された。まあそうなるだろうと読んでいたから驚きは無かったが、ラッキーなことに、乱歩は妨害脚を飛び越える勢いのまま、小走りで先へ行った。無駄な体力は使わない主義だと顔だけこちらに向けて声を張っている。前を見ずに走る乱歩をぼーっと見送る太宰は、適当な段差で躓かねぇかなと念じた。生憎、思うようなことは起きなかった。残念。とても残念。
敦は、結局拵えた文言を伝える相手が去ってしまったので惜しそうな顔をした。見かけたらその時に告げればいいじゃないかとフォローしておいたが、見かけることなんて無くていいと思う。妨害電波みたいな存在だし。
校門を抜けたら乱歩の後ろ姿を視認した。太宰は黙っていたが、こちらもこちらで乱歩の姿を見つけた敦はぴゅんと駆けていった。仕方なく、今朝二度目になる妨害行為を受けに行くことになった。
 
解説︰…。なんだこれ。太敦プラス乱さんの学パロ(まじでこの三人しか出ない)書いてみよーとしたらこれ。書くつもりだったブラックジョーク入ってねーし。関係性をもっと練ってから手を付けるべきだった…。私はひたすら、乱さんに暴れてほしいのだよね、それが満たされるなら太敦は薄れて構わない。
もう書かねーかも。ガチ勢の情熱には敵わないから書いてて自信が削られる。