創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

外灯

「今夜はどこに泊まるの?」 「選んでいいよ。ここらは選択肢が多いから」 幼稚園で指定されている帽子、浅いつばがぐるりと付いている黄色いあれ、を右手で目深に引っ張り、つばの影から年相応に大きな眼が私を見上げる。その視線を避けるようにして私も同…

猥談

人生の未完成を自覚している。仮初の完全を謳うとき、ひとは真に充足する。私はそう考えている。日々への物足りなさ、不甲斐なく怒りが染色しにくる様、浅はかである所業を何一つ許せなくなるだけの余裕の無さ、自己嫌悪。言い方は多種多様である。つまりは…

おはなばたけ

常夜灯は消した。毛布とシーツの間に転んで首まで毛布を引き上げる。毛布の上には羽毛布団を載せている。以前テレビの教養バラエティ番組(という表記で伝わるか?)で毛布の方を上に被せたほうが保温性が高くなると紹介されていたのを思い出す。冬が来るたび…

私小説

どうにかして自分の時間は止まらないだろうか。壊れないだろうか。巻き戻らないだろうか。 秋の空は高いという。雲が地表から高いところに発生するのだ。夏と比べたときの話だ。だから秋の空は高い。高くなったように見える。 あっそ。秋の雲はぼやけていて…

風向き

五ミリ方眼のノートの見開きが文字で埋まった。僕はある程度の満足を感じ、湿った目元を乱雑に拳で拭う。紙面に散らばった消しカスを机の下へ叩いて落とすと、そのノートを小脇に部屋を出た。 階段を下り、玄関でサンダルを突っ掛ける。風が髪を揺らすのを感…

武装

妹は猫を飼いたがっていた。小学生の児童が、親に口約束をきいて、ペットを許されるのと寸分違わぬ流れで、妹は猫を家へ招き入れた。妹は小学生だった。例えにもなっていない。 俺はその時は高校生だった。己の生命を哲学し始めた時分だった。生命の温もりが…

道程開示

人に読ませられるだけの解読可能を持たせられるか不安はありますが、なるたけそれが叶うように調度して書くつもりです。 地平線が見たいような、そんな気持ちです。地球の形を漠と感じたいのかもしれない。案山子のように足を地面に生え忍ばせて、ぐったりす…

暴的定義

僕が言ったことがそんなに面白かったらしい。所詮小学生程度の性知識しか持っていないのだろう。抱腹絶倒の姿を睥睨する。目尻を拭って、余韻冷めやらぬといった様子で息切れを起こし、絶え絶えにコメントを寄越してくれる。 ちゃんと想像してみたか? との…

カテゴリー一覧

当ブログのカテゴリーを一覧化したページ