創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

私小説

どうにかして自分の時間は止まらないだろうか。壊れないだろうか。巻き戻らないだろうか。

秋の空は高いという。雲が地表から高いところに発生するのだ。夏と比べたときの話だ。だから秋の空は高い。高くなったように見える。

あっそ。秋の雲はぼやけていて、曖昧さが美点と主張してきかねない存在感に脳が僅かに反応する。最近ずっと苛ついている。

電車のドア脇に陣取って、窓が切り取る世界を見ていた。ああ、体が重い。

根拠を挙げられないのに、私は頻繁に同じ答えを辿り直した。それは、生きている時間が伸びた分だけ、私は生きづらくなっているという答え。いきぐるしい、喉が詰まりそうだ。五臓のある辺りが膨らんで、口蓋をぶち壊して溢れてきそうだ。そうなればいい。気持ち悪い。グロテスクを晒して人々の喝采を浴びる終幕か。

まじで。

冷笑に過ぎるな。

今日、自分がテンプレートから足並みを後ろにずらして歩いていることを目の当たりにした。こうなったら決定打。学生の時分は社会問題的に学校からあぶれた自分に焦点が当たっている節があった。自分は異分子かもしれないが年相応だと安心していたのだ。今になればよくわかる。

私と殆ど年齢の変わらない人間が、社会というやつの構成要素として働いている。クソ出血を減らすための何とかという薬の説明をする薬剤師。学生の匂いが残っているような若さが、私の出遅れを明確に指差したのだ。

婦人科で職場体験らしきことをしていると自称した制服姿の面々。私の瑣末な質問に、おっかなびっくりの気配はありつつも対応してくれた。ああ、そう。そう。社会人の滑り出し成功してんだ。そうなんだ。

ま、ここで私が何を思ったかは自明に過ぎるだろう。書かない。

帰りに度数の高い酒を買おうと思う。ウイスキー以上の高アルコール酒があったらそれを選ぼうか。味も知らないのに。いや、酒なら日本酒がいいか。酒は何を買おうと高いのか?

その障壁。私は胆力が不足している。秋の空、暮れて二度と明けなければいい。