創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

守護者不知覚者

まだ見ぬ守護霊どのへ。ここへ自戒を含めて誓約します。 他人に見られても恥ずかしくない人柄であること、筋の通った社会的に明るい振る舞いを外へ現すこと、惰性に生きないこと。 と言えば言った傍から疑問を抱かれることと存します。私はこれを上下ともに…

エアコン談義

へえ、電車停まるってよ。警報器の故障だとさ。黄色の鉄扉が、かた、かた、と震える。すると合わせになっている一方の扉も感応して、同じ間隔で震えた。それが隣の組の扉に伝わり、また同様に震え、それに反応してもうひとつ隣の扉が、かたかた。モールス信…

架空拝

理想が好きだ。理想的な世界で、理想的な人間が存在していて、理想的な人間関係を眺められる、そんな理想の塊が心底から好きだ。架空にしかあり得ない、理想を崇めて生きている。 理想は幻として瞼に貼り付き、私の現前で実体を振る舞うことがない。私に電話…

猫と会話するような

名無しの猫と同じと考えてもらえばいい。夏目漱石の。そう。吾輩は猫である、の主人公。人間のように思考するあの猫と、僕はよく似ている。違うのは、漱石の猫が単独行動、自己完結であったのに対して、僕は疎通できる人間に恵まれたということ。 その人間が…

出会すL月

昨日の夜市小説のリベンジ。あれはあまりに月がLを目追いしていて不自然だった。 「こんばんは、月くん」 運転席から降りたら間断無く挨拶。飛んできた声の主は竜崎。こいつ、僕の行くところにしょっちゅう出没する。態とバッティングするよう仕組んでいるに…

夜市行くL月

L月がとなり同士で一緒にいるシチュエーションが違和感あってどうにもすっきりした気分で書けないのが解消されれば真に楽しいだろうに。 ・L目が悪い(近眼) 「夜市をやっているらしいですよ。誘われたりしてませんか」 何か含みがあるような、かと思えば特に…

作家転パロ

夜神月はペンを執る。手に馴染んだシャーペンを二回ノックしてノートの上で走らせる。近頃はパソコンで作業できる環境を整えるのも手軽になり、そんなデジタル環境へ移行することを推奨したり急かしたりするような文言をちらほら見かけることがある。例えば…

用件ずれ

私服をいくつか新調したいと打ち明けたら、店の方からやってきた。夜神月は声こそ上げなかったが驚き、軽く絶望した。極めて平たく表せば、彼は外に出たかった。服を買いに行くという名目で、外出を果たそうとしただけだった。それが、外商ときた。信じられ…

なにしてるんだ、ひとりで。と聞き慣れた声が聞こえた。間違いようもなく、自分に向けられたものだと竜崎は思う。念の為に目だけで見渡す。周囲に誰かがいる気配はない。思った通り、声の主は私に話しかけたらしい。 「消灯時間だろ」 携帯の電灯機能で夜道…

沈思

舐めプ

池のうえ行け

丸太が池の上を渡っているから、平均台を歩く要領でバランスを取って、水面に映る自分の影を見下ろしたりなんかしていた。丸太は端で重ねて太い釘を貫かれている。階段状になった橋を歩く。 池の外周の別なところへ降りるだけの橋が、どれだけ意義あるものだ…

直截表現

しにたい。しにたい死にたい死にたい死にたい死にたい、しに、し……。 耳触りがよくて、ラムネみたいに舌の上が刺激的で、無気力なベッドへの帰還を全面的に抱擁するような、そんな甘やかしに寄りかかっている、だけ。死にたいと字義通りに思っているわけじゃ…

孤立無表情系

揺れるときは大抵布団にいる。寝ていて、ふと目が覚めて、ぼやけた頭で天井の照明器具や家具の形をなぞっていたら、揺れる。そのパターンが一番多い。昼間は却って揺れず、夜中にまた無防備を晒して大丈夫だろうかと不安しながら布団に入る。ひやひやしなが…

万年筆探す小説

こいつは、お待たせなどと気の利いた風な台詞を発さない人間性なのだが、私は毎度失念してしまう。へらへらと頭を傾げて、お待たせの代わりにしたらしい。半開きの口からはきっと呼吸音しか聞こえない。 呼び出されたので合流したのは午後3時で、私は一仕事…