創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

猫と会話するような

名無しの猫と同じと考えてもらえばいい。夏目漱石の。そう。吾輩は猫である、の主人公。人間のように思考するあの猫と、僕はよく似ている。違うのは、漱石の猫が単独行動、自己完結であったのに対して、僕は疎通できる人間に恵まれたということ。

その人間が、ある日意識も朦朧として公道の端に横たわっていた僕を自身の家に招き入れた。

さて、そんな僕の体調が快復して早速尋ねたことに、何故助けたのか、というものがある。奴は言葉の手触りを選ぶように神妙な顔をして答えた。その時直感した違和感を明かすために、何度も同じ質問をする。もう、毎回一字一句違わぬ答えしか返してくれなくなったけれど。

「やっぱり何か隠してる理由があるだろ」

今朝もこのように問い詰める。僕の前にしゃがみこんで、その長い指で僕の顎を掻いてくる。こいつはこうするのが好きなようだから仕方なく顎を許してやる。

「たまたまですよ、偶々」

当然いつもと寸分違わぬ回答を寄越して、僕の顎を触り続ける。なぜか僕の詰問を形だけ躱したこのタイミングで僕を抱え上げようとするので、今日も見切って逃げる。瞼を伏せて悲しさをアピールするまでがお約束。とっくに見飽きた。

そこに別の人間の声が降ってくる。朝食のトレイを運んできたようだ。奴は僕を一瞥して、しかし食い気で気もそぞろである。食事ですよと語りかけてはくるものの、目の前の甘味プレートに釘付けになっている。見ているだけで胸に来る。

 

「今日こそ一緒に遊びましょう。お昼寝でもいいですよ」

「断る。お前そんな顔なのにベタベタ触ってくるから気が休まらない」

「どんな顔ですか」

駆け足で逃げた。ひとまず食器棚の上に潜んでおこうと登ったが、ここはすぐに離れた。小癪なことにそれなりに上背のあるあいつの両目が爛々と僕を見詰めている。

どこに行けば落ち着けるんだ。僕は次の心当たりを目指して走っている。

 

解説(じゃない)︰

しにてえと思ったからかいた(?)

殆どその心情反映されてないです。どうも生きたい方向にオチつけてしまうな。はあ…

あ、L月。これ。

それから放置した伏線もここで種明かししとこう。忘れてしまう前に。猫拾った理由は霊感ってことでいいです。原作の因縁の記憶が過ぎったんじゃないですかたぶん