2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
前回のせんせー小説の補足作のつもりで用意した二項目を、別内容でメイクする。理由は前回の感覚を続行するに耐えないから。補足する程の熱量を維持できなかったのだと諦めてくれ 温暖につき冷や汗やら心臓の早鐘やらで身体的にストレスを背負って、おれは頭…
「せんせー!」ぶんぶんと振る左手が、遠目にも少女の存在をアピールしている。弟の手を引き、慌ただしい駆け足にてあっという間に間近へ寄ると、肩で息を切らしつつ破顔する。額の汗が玉のように光り、弾けて頬を伝っていく。彼女は斜め掛けしていた水筒を…
友人のアパートに遊びに行っていいか尋ねると、彼はしばし目線を左に彷徨わせて悩んでから自身のスマホを取り出し、僅かな操作と画面の熟視を挟んで、その後是の意味でひとつ頷いた。人が居るけど大丈夫か、とも聞かれたものの、おれはその点に頓着する方で…
朝日がきらきらと輝く。伸びた閃光は芝が広がる庭を照らした。目を細くして、さらに手傘でサンバイザーを作っている人間がひとり。段上から、庭を見下ろしている。鬱陶しげに顰めた顔はやはり感情の顕れのようで、男は舌打ちをした。眩しい。不必要な程に。…
まんじりともせず、否できず、明るくなってしまった。吸音されるような降り方をする雨、割れんばかりに膨らんだくせ破裂も萎縮もしない感情、涙を流すことすら面倒に思った。私は、狂えているのだろうか。他一般の人間、ごく自然に社交へ進める一般の人間ら…