創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

今年描いた年賀状のデータ見つけたので貼る。

なんでもないこと(密誉)

「おや、密くん。散歩かい」 「……」 夢かと思った。眼前の光景を凝視して、次に頬を強めに抓って、それから不思議そうな顔をしている相手を見てやっぱり思う。夢なのかこれは。 そんなに顔を顰めてどうしたんだいと尋ねてくる相手に寧ろ訊きたい。 なぜ木で…

4月1日(万莇)

「なぁ、莇、実はな…」 暖かい春の日。桜でも見に行こうか、なんて居間でくつろぐ何人かが花見を提案している。その傍らで妙に畏まった様子で耳打ちしてきたのは万里さん。俺は相手の空気に飲まれないようにと思い、表情を変えず応える。先を促すと、万里さ…

一緒に色んなとこ行きたかっただけの(密誉)

ほら、と声が降ってくる。肩を数回叩かれ、まどろみの中から浮上する。瞼を上げると、いつもの顔をして笑うアリスが目に映る。しゃがんでいる。 オレはよくわかっていないまま差し伸べられた手を取る。オレの立ち上がるのに合わせてアリスも膝を伸ばした。気…

懐古(カラー)

ガードレールの脇を歩く。雨粒の跡が残り黒く汚れたガードレールの向こうには川が流れている。 「じゃんけんおばさんっていたよな」 「目が合った小学生にバトルを挑むとかいう…」 それはポケモンだろ、とカラ松が笑い声を上げる。一松も釣られて僅かに口角…

空に降りていく、つづき(密誉)

公式情報未完全取得状態、注意 前:空に降りていく - 創作に人生さきとう思うんだ ダイニングの扉を開ければ、監督くんの朝の挨拶が迎えてくれる。今朝はゆっくりですねと聞かれるから、ふふと鼻を鳴らす。後に続くもうひとりを部屋に入れて戸を閉める。それ…

空に降りていく(密誉)

公式情報未完全取得状態、注意 同室である二人は、それゆえに同じ空間を共有している時間が長く、あっという間にそれが日常の光景となり、目新しく活気づいて会話する関係ではなくなった。とはいうものの、そもそも片方が話をする気のなさげな態度で鎮座して…

ひとことくれ(万莇)

公式情報未完全取得状態、注意 なぜか万里さんの機嫌が悪い。今朝一番には笑っておはよと言われたから、その後の何かが原因でこうなっているのだろうと予想がつく。俺は普段自分から話しかけることがほぼゼロだが、今日は人生史に残るレベルで話しかけた。万…