創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

恋愛小説

恨むなら、私の人生に登場したことを。私が望むと望まぬとに関わらず私の前に現れ出た自分の人生の筋道を。交差して離れなかった互いの人生の絡まりを。恨むなら、それらを恨め。 私は体術など会得していない。きっと相手の方が自分の体の動かし方には詳しい…

ギャグの如き人生

俺は喜び多き人生にしたい。誰のものも、自分のも。 「兄さあ、自分が人間嫌いってこと自覚してるの」 下の妹の指摘に家族みんなが揃って笑声を上げる。俺も釣られて苦笑いになる。はは、は…。 「理由はある…俺は」 「自称ヒーローのおとぼけメンヘラ」 …と…

第一歩

自分は背伸びをしていたのじゃないか、と疑う。常に冷静でいるつもりなのに、いつの間にやら冷静と遠く離れて奇行を発している、なんてこと。私はごく真剣に取り組んでいるのだが、私のある瞬間、ある行動ひとつを切り取ると、奇行としか判じ得ない姿態を晒…

偽悪

騙そうとして言ったことではなかった。そこに故意はなかった。悪意のありようはない、勘違いがすべてだった。私の過失が結果的に嘘の発言を導き、それを周囲に認知させたことは悔いても改められない。吐き気がしてきた。消せるものなら過去に戻って事実を正…

大人

これは寓話。「大人」 少年が大人の腰を越すか越さないかの背丈の頃。少年はよく笑った。周りの大人らはその笑顔を鏡に反射するように柔らかく少年に接し、少年はそれに応えてさらに深く微笑んだ。 少年は身近な愛情を感じ取る力に疎かった。当たり前への感…

挑戦と後悔

庭に出た。日が陰りはじめて空気も大分暑さが和らいだ。特に何を思うわけでもなく、気の向くままに足を伸ばした。コンクリート塀の向こうに畑用地がある。今夏は気張って耕してみたが、暑さに負けて水やりを放棄してからはその有様を見ていなかった。自分の…

落ち葉踏む森

僕は汗をぼたぼた流して走っていた。夏休みが明けて、九月。夏の盛りは過ぎたけれど、日中はまだまだ暑い。体を動かせば、なおさらのこと。すぐにカッターシャツが肌に張り付く。教科書やノートを詰めた学生鞄を背負った背中は蒸し暑く、その重量感もあって…

書き損じ

viorenisist 音楽室にこもりがちだというのは、その学校に通う者ならばみな知っている噂だった。あまりに侵蝕が激しく、新入生もひとつき経てば、噂拡散の媒介人の趣を身に付けてしまうくらいであった。誰も、その噂を広めることに躊躇しなかったが、では何…

生々

前置きしておきたくなるくらいには、センシティブな表現があります。自分の書いた小説の中で群を抜いているいかがわしさ。 ーー 中学の同窓会があった。参加に印を付けて返信はがきを出した。ちょっといいホテルを借りてあって、豪勢な雰囲気でビュッフェ形…

怒り

とことん利己に向かっていいのなら、私は猫になりたい。飼い猫に。去勢だの避妊だの、有性の理から逸脱した存在へ変化できる手術を受けられる、猫になりたい。 この点が満たされるのなら、犬でもいい。 ならば私は被支配されれば叶うのか?それが私のプライ…

身体損壊現象

眼が痒いなと思って指の背で掻いていたら目玉が取れた。親指の第一関節で目頭を押さえたときだった。ずる、と指が滑って、代わりに目尻から溢れるものがあった。初めは涙だろうと思った。涙にしては量が多いと感じたが、日頃パソコン画面の見すぎで眼精疲労…

花火

今夜は花火の上がる日だった。僕は努めて冷静であることを何度も自分にいい聞かせ、階段を踏みしめた。階段を登る足音、ドアノブを下げる力加減、ドアを開ける勢い、閉じるときの音、ドアノブからの手の離し方、すべてに意識を払って、冷静を装う。 外は喧し…