創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

用件ずれ

私服をいくつか新調したいと打ち明けたら、店の方からやってきた。夜神月は声こそ上げなかったが驚き、軽く絶望した。極めて平たく表せば、彼は外に出たかった。服を買いに行くという名目で、外出を果たそうとしただけだった。それが、外商ときた。信じられないと思った。信じたくないと願った。

しかし、これは現実だ。今、服屋にいるのだ、僕は。口にした希望が過不足なく達せられている状況なのだ。

左手の鎖をぐいぐいと引いてみる。ほとんど全部こいつのせいだ。外商を手配したのも、足りないものはないかと尋ねて要望を聞き出したのも、こいつだ。そもそも鎖もこいつが繋いだのだった。全部こいつのせいじゃないのか。無反応を決め込む鎖の先のあいつに、さっきより強めの誘引を食らわす。砂糖を溶かしていた手を止めて僕の眼の方を見ている。瞬き三回分、じっくり見ていたが、結局なんの反応も見せなかったに等しく元の動作に戻った。

「おい」

「用件があるなら喋ってください。言ってもらわないとわかりません」

厚顔なこいつは、確実に僕が今考えていることが読めているだろうに無知を装う。腹立たしい。

 

外商は帰った。僕は服を買った。竜崎のやつがいつもの無表情ながら、含み笑いでもするように「いい買い物はできましたか」などという口を利くので、完全に愛想笑いで上書きした表情で返事をした。

三日後、今度は奇をてらわないで外に出かけたいと言ったところ、二つ返事でいいですよと返された。思わず気の抜けた声で聞き返してしまう。

あまつさえ、「前にも外出したかったんですよね。言ってくれればよかったのに」と、この余計な一言(二言である)を放って、竜崎が満足げに微笑んだ。口角の上がり方がそれにしか見えなかったのだ。僕の堪忍袋の緒は切れた。竜崎にとって最高に退屈な外出にしてやると決めた。

 

解説(いらん)

仲わりーL月(月側がめっちゃ嫌っている)。にやにや(意訳)しているL氏が見れたら比較的どんなL月でもおっけー。

時系列は原作5巻なのか、別時空で別な軟禁をくらっているのか。不明。

L月って平和なの書けないの? 私の日常嗜好はどこへいったの