「まだ大丈夫だよ。自分でわかる」 ラーメンをつつきながら言う。熱いのが食えないので湯気を見送り、食い時を待っていた。同じものを頼んで勢い良く啜っているミドリが、向かいの席から茶々を入れてくる。食べながら喋るな。 「アオ、お前は気付いていない…
無人の商店街を歩いている。夜に冷えた空気が足元から巻くいついて身体の温度を下げていく。ずんと身体が重くなる。 目が覚めた。今ひとつ気分の上がらない空の色、風の湿気、光の加減、私の体調。昨日より寒いらしい。雲が、空をムラなく覆っているように見…
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