創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

もぐもぐ 露仗

恋愛哲学に忠実であろうとする姿勢が露仗に現実味を与えるんだよ!(実地試験中)

…これは迷走している。気分悪く書き始めたもんなあ。反省

 

現実という参照の幅を無限に取ったパノラマの描き出す真価、早々見限って足元で紐を縛っていたかもしれない。彼は身動きを奪われ、躍起になると八方に倒れるばかりか、起き上がりこぼしともいかない。経験則の固定観念はもっともらしく偏見の暴力を振るったのか。そうかもしれない。誰も言わなかったではないか、人と関わることを忘れて楽しいと。空想と宇宙の果てさえ事実と認識できる可能性の両翼を得ることを、あたかも理性を失う人間性からのレールを踏み外す過ちのように見なし、けろりとして複数の人間たちと疎通しつつがない社交を営む神経。人間関係の窒息性を知らぬ、懊悩の苦の欠けたる人輩の無自覚の暴動。痛いんだよ、それが誰かの苦痛を呼び起こし、端に植え付けて初心を象ることさえざらであることの愕然。罪深さ。

「なあ仗助」

ソファに座ってゲームをやっているところにしなだれかかる。人肌のぬくもりのある背中とその体温が乗り移ったソファの背もたれに頭を押し込む。肩はねじって、ぎゅうぎゅうと力任せに潜っていく。仗助にはどんな言葉を掛けてほしいとも願わないが、ただひとつ、このままソファから立ち上がらないでほしいと望んだ。頬や髪の毛が変形して滅多な方向へ押し込められているのは易々想像できた。どうでもよかった。圧迫感がせめてもの生存の証明を果たしている気がした。

「もごもごもご、もごもぐ、ぐぐ」

「…なんすか?」

「もーもぐぐぐぬ」

「どーでもいいことだから気にするな? はぁ、サンドバッグ役くらいはするっすよ、いくらでも喋ってくれてオーケーっす」

仗助が喋っている間じじじと振動した背中がしんと温かいだけになると、とんとんと聞こえてくるものがある。如何なる名曲もその基本を敷いていねば他者の圧倒に適わず自己満足を垂れて野垂れる、それは鼓動である。目視できぬ内部の臓物が、動いているらしいこのグロテスクを、静かに耳を立てて吟味する。

「ぷは」

顔面が途端に寒く感じた。案外いい暖を取れるかもしれない。こたつと勝負させるとどちらが上をいくだろう。露伴は自分の両頬をそれぞれ両の掌で軽く叩いた。しゃっきりとする。

「まじにどうでもよくなったよ。で、どこまで進んだんだ?」

「今経験値稼ぎ中っす、進め方わからなくて」

「ふうん…、ところで僕らは恋愛関係と言えるのかい」

「後10分くれたらけり付けるんで、ちょっと待、…ん?」

テレビに映るドットのカラーイラストは、勇者側の戦闘コマンドの入力を待機している。鳴り続けるBGM。周回している音源と、不定期に生命反応を見せる機械仕掛けの明滅。仗助はテレビから引いたコードの先のコントローラーをその両手に収めて停止した姿勢で居る。見なくても間抜けな面をしている予想が付く。最早自分も何を聞きたくてあんなことを尋ねたか、意図が判然としない。