創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

ロケット免許(露仗)

2022/8/6
 こいつ限度ってものを知らないのか、と仗助は思った。
 周囲は見知らぬ操作盤や表示画面が隙間なく埋められており、自分が映画の登場人物になったようなめまいを覚えた。
今ロケットの操縦席にいる、といえばイメージが付くだろう。露伴は小さいボタンがノートの枡目のように並んでいるのを勝手知ったる手付きで次々に押していく。プロっぽく見えた。
「丸一年は運転してないから勘が働かないだろうなァ」
「自分の過失で簡単に爆発するし、自業自得で寿命を縮めるのは嫌だ」
「よし」
 お前が運転して死んでも僕がミスして死んだことにはならないからやれ。といわれる。
は? って顔にもなる。ロケット操縦のプロだった露伴の像はあっけなく崩れ、何言い出すんだテメー系露伴が首をもたげる。寧ろこっちが普段の姿だった。
 この露伴は俺を主軸桿に着かせようとする。背中をバシバシ叩かれ、運命の座に近付いていく。
「俺ロケット動かす免許持ってねーから!」
「バイクを乗り回した時無免許だったよなぁ? なぁ?」
「あん時は一人だったろうが」
「だからなんだ」
「周りの人巻き込んで死にたくねーっつーの!」
 俺たちはロケットを降りた。運転に自信がなくなった露伴は感覚を取り戻しに教習所を訪ねたという。それにしても、一般人(強いて言えば漫画家)である露伴でも宇宙に自力で行けるとは驚いた。