創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

イントロ

ベタな設定デスゲームのプロット風小説。キャラクター全く作る気ないからプロットの域を出ない。

 

「ありがとうございます。集まっていただき感謝します」

スピーカーから音声が流れる。同じ空間に集合した全員が円卓を囲んで着席したところだった。学校に備え付けられている型と同じと思しき箱状のスピーカーが、自分たち参加者へ向けて言葉を紡ぐ。

「平凡で恐縮ですが、ひとつデスゲームなるものを模してみようかと思っています。内容は一切が白紙なので、私の一存で適当なルールを作るか、集まった参加者同士で話し合うなり殴り合うなりしていただいて決定するか、悩みどころです。どちらがよいですかね…」

参加者の数人が反応して声を上げ、怒鳴ったり卑屈そうにぼやいたりする。どの声も聞こえていないのか、スピーカーの向こう側はうんともすんとも言わない。ところで、僕の両隣に座った人が、着席後から途端に打ち解けたらしく、僕を挟んで遣り取りしている。転校などして別れ、ここで突然の再開を果たしたのかもしれない。仲良さそうに喋っている。が、僕のことを良くも悪くも無視してくれることが気まずい。

「すみません。少し頭を捻ってみましたが案の定といったところです。私は言うほど頭が良いわけではないので、これだというアイデアが思い付きません。零から一を生み出せる人が羨ましい。というわけで、どなたかアイデアのある人はいらっしゃいますか」

僕の左隣では、絶え間なく喋っているふたりの声が聞こえる。席を交換することを提案したら、すんなりと交換の運びとなった。向かいの席の男が、女性ふたりに挟まれていた僕を不思議な目つきで見ていたが、気にしても仕方がない。

スピーカーは一人でしばらく喋った後、静かになった。この部屋にはマイク(盗聴器といった方が場に適しているかもしれない)はないようで、アイデアを募っておきながらどこからもその聴取ができないときている。抜かったのだろうか。本当に頭が良くないのか。

壁だと思っていた箇所が扉のように動いて、四角く切り取られた穴から人が出てきた。一同はすっと囁きを止め、新たな人物をまじまじと観察する。どこに繋がっている扉だろうか。野外ではないようだが。

誰だよ、と不躾に聞く者がいた。この場の全員が同様の問いを抱いている。

扉が重そうな動きで閉じていくのを見詰める新たな参加者(かもしれない)人物。やがて完全に閉じた扉は壁との境目が見えなくなり、一旦視界から逸らせばどこに扉があったのかもわからなくなるほど超自然的に壁と化した。

その人物は、集合した全員を振り返り見渡した。

「こんにちは。対面では初めてお目にかかりますね」

 

後々になってその場に居合わせた者が語るには、寂しくて死ぬ病気に罹ったクソガキに見えたという第一印象は間違っていなかった、ということだ。

そのクソガキは、ばらつきはあるものの比較的若年層に偏っている面々を見て、若いですねと感想を述べ、どんな感情を示しているのかわからない表情をした。そして席に着く。淡々とした動作に、全員が呆気に取られていた。

誰も、こいつが何者なのかわからないまま、こいつの物理的な接近を許してしまった。

「あの、どういう立ち位置の人でしょうか。私達より遅れてきて、しかも隠し扉から入るのには相応の理由があるはずです。私達とは違うのではないですか」

以降、クソガキの本領とも言える性分が発揮されるが、ここでは割愛する。覚えていないわけじゃない、書くほど面白くないというような意味合いで納得してほしい。

申し訳無い。