創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

天は人を三つ拵えた。以前の人は二種類に大分され、時たまにグループを越境して手を組む異分子もいたようだが定着しなかった。いつも二つのグループは睨み合い、対立することで己が優位であることの証としていた。天はそのような人も見ていて好きだった。三つに分けたらどんな差異が発生するのか、興味がわいた。

三つの人間は、手を取り合い、輪になった。内側を向いて、全員の顔を見渡し、くるくると回転し始めた。天は、原始の舞が見られた、と前傾した。二つの時もそうだった。まず、人は、こうして輪を成す。天は頬杖をついて、成り行きを見守る。

三つの人間は、個々に充分な距離を取って、食事を摂った。睡眠も概ねその形式だったが、一人が周囲を警戒しながら別の一人のところへ向かい、床を共にした。夜闇を恐れたのか、孤立を恐れたのかは当人にしかわからない。天は、ふうんと言って、頬杖の手を入れ替えた。

すっかり日が登ったあとで、先の二人とは別の三人目が目を覚ました。のろのろとした足取りで、倉庫へ向かう。倉庫の中には、貯蓄した食料がある。簡単な調理を済ませた食料を、胃に落とし込み、食後は日当たりの良い芝の上で仰向けになった。天は、暇なので、この人間を凝視していた。

三日が経って、遂に惨状に気付いたのを観察する。赤黒い飛沫が屋内の床から壁を染めている。余程激しく飛んだと見える、屋根裏には隙間なく赤が塗布され、流れ落ちたものが裾に滞留して固まっていた。三人目は、人間の形をしたものを二つ、探そうとしたようだが、その試みは失敗に終わった。床に染み込むように散乱している細かな残骸をそれとは気付けず、赤黒い塗装のせいで日中も薄暗くなった部屋を、そのままの状態にして出てくる。太陽の光で目が眩んだようだった。

その後、三人目は、三人目だけで暮らし続けた。ついぞ微笑むことすらなかった無表情が土に還っていく。天は、純文学が読みたくなった。誰に言われずとも、人間を間違えたことは承知していた。