創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

鈍行

電車にこんなに長く乗るのは久しく、往きにも関わらず疲労困憊の趣きを呈していた。前に京都まで出たのは六年前になるのか。その時は中学を三年間通った成果である体力が維持されていたから、往復で体力を消耗した記憶は残っていない。問題なく保ったのだと思う。今回は鈍行で京都に出るのに加え、バスでの移動が一時間、待っている。気が重い。帰りたい。疲れた。現在時刻は十時を目前に控えた午前九時五三分。一旦の混雑ピークは越したと見える。帰りが思いやられる。それぞれの人間が、朝は比較的バラバラと出立するが、帰りは揃って同じ時刻に乗り合わせることになるのだろう。感覚的に思う。日が落ちる兆しに合わせて、家に帰りたくなってしまう性がある。それに便乗せざるを得ない自分に人間の端くれを感じるが、大抵嬉しくない。降りたい。逆方向の電車に乗りたい。せめて柔らかい座席に座りたい。この補助席、痛い。

窓の外で、きら、と光るのを見た。曇天だから太陽のきらめきではなさそうだ。歪んだ菱形の窓を睨んだが、切り取る範囲が狭すぎる。ドアの正面から、外の世界を目視することにした。また、きらと光った。自分のみがこれを見つけたようだ。じっと行方を追いかけた。明滅の間隔は狭くなり、ぱ、ぱ、ぱ、と小気味よいテンポで光る。カチ、と硬質な音が聞こえた。右側からだった。電車に備え付けられた、何らかのスイッチが切り替わったのか。わからないが、興味も湧かなかったので、ろくに見なかった。

チカ、と一際眩しく光るのを捉えた。ほぼ直視する形だったため、反射的に両目を閉じる。瞼の裏が白く発光している。黄味がかった光だった。あのUFOみたいな点滅体が、今までと異なる色味で光ったのだった。予感がした。直感が騒ぎ立てた。ふふふふふ、と笑っていた。自分の声だった。

次の瞬間、足元から鳴動する衝撃で軸がぶれ、浮遊した感触をスローモーションで体験している所で、私の視界は閉ざされた。残るは暗幕ばかりである。手許のリモコンを操作しようと右手を動かしたが、まだ終わっていなかったらしい、音が漏れている。前かがみになって、耳の後ろに手を当てる。



こういう漫画、みたことあんぞ…。自分の視界を第三者視点で見る設定は既視だぞ。なんなの。続きを書けよ。