消し去ろう、取り除こう。真っさらに戻して、今度は後ろめたい心の宿らない道を。
私はあのとき、表現方法を見誤ったのだ。そうだ、それ以外に、この悔悟の理由を付けられない。見つからない。知らぬ間に流され、運ばれてしまったが運の尽き、慣性だけでここまで長々と腐ってきたようなものなのだ。いい加減、自分に嫌気が差している。
死ね、この脳内お花畑野郎。
まず、前髪にあらん限りの怨念を込めた精一杯の懺悔を示して鋏で切り落とす、そういうシチュエーションのある漫画を思い出す。あれも二次創作の、腐ったやつだった。ここ数年ずっと腐敗作品しか眼中に入れないできた。おかげさまで湿っぽい叙情とか世情の全く見えない至極都合の良い世界の書き方ばかりに詳しくなった。今もそう、書いている文章からはウクライナ戦争が続いていることなど読み取れはしないだろう。内省だけで時間を食い潰しているからだ。くそくらえ。
どう始末を付けよう。私の中の、なんでもBLにしてしまえ論を完膚なきまでに敗北させたい。
次に、本の角で頭蓋を叩くことを思い付く。現在目の前にその性質を満たす本が座しているのである。図書館から借りてきたものゆえ、粗末に扱えない。よってこの策を実行するなら机の引き出しから辞書を取り出すなどして調達することが求められる。自作自演で煩悩が霧消するか? 賭けてみるのも一興か。都合、記憶がまるごと吹き飛んで、自我さえ失えばより面白い。
痛いのは嫌だが。
或いはいっそ、到達点を目指してみるのは如何だろう。如何、とは、打診だがまあ半分は冗談だろう。たぶん。一遍死んでみないか。首絞めるなり手首切るなり、物食わないなり空を飛ぶなり。さんざ夢見て無かったことにしているこの選択を、今一度吟味してはどうだろう。誰かが何か言うだろうか。文句とか、懇願とか。はははは。
なんでくそご都合ゲロ甘ラブコメを書かない人間に生まれ変わるために自殺しなくちゃならんのだ。
うるせー馬鹿、愛情表現の偏屈を反省する態度を見せろコピペ量産野郎が。
もう全員死んでくれよ、私が人間に等しくいちゃいちゃさせないために。
お前だけ死ね。
死んでくれ。
死んでくれよ、要らないよ。要らないと思うに至る経緯も含めて摘出してはくれないか。いや、駄目だな勿体無い。
やっぱり今までの文脈は無かったことに。ええ、私は悩んでいる私が一番好ましい。