目が覚めてしまいました。半開きの窓から、
身体のあちこちが痒みを訴えるせいで眠気が引いて、 仕方なくこれを書いて睡魔を待つことにしました。 窓の外の音が飽きを来させない魅力とともに私の思考をサポートし てくれます。
雨がその母たる雲の湿度が飽和して落っこちたひと粒であることを 思い出して、 その着地時について詩文的なことを思ったので書きます。 これがこの文の本題なのです。
芝が生え渡った畑の脇目へ飛び込んだ雨粒は、 緑とぶつかって八方へ弾けるのです。 今は深夜ですから彩度が低くなっていますが、 分裂したそれぞれの表面に、芝や、雲や、土や、私の色が、 透き通り、伸び縮みしながら映り込むのです。人間の目には、 とても見れる速さではありません。 しかし想像することはできます。雨粒の見ていた世界、 ぐんぐんと加速して、ある色の一点へ衝動する壮大さ。
数えきれない着地音を、 一曲のクラシックを聞き流すような罪深いほどの贅沢。 眠れない夜に、時の止まっていないことを知ることができるのは、 或いは救いのひとつかもしれません。
そろそろ寝ます。節操なくYouTubeを見ながら。