創作に人生さきとう思うんだ

二次創作ばっかしていたい。

しやうねん

世の中に、成人しただけのこどもであることを自覚し、決定的で致命的に社会に不適であるこの特徴と腕を組んで屋上から身投げしようと夢想している人間はどれほどの数いるだろう。

 

担当だということになっている一通りのファイルは中身を浚い、この瞬間から出来ることはもうない。状況が一転二転するまではこれが続く。私はまるで砂場に棒立ちになったような不躾を衆目に晒しかねない現状に至ってしまった。与えられた作業をこなす速さと、次の作業が湧き出す速さが噛み合わなったための不測。空き時間がこれほど耐え難く屈辱さえ味わわせる代物になり果てるのは、賃金労働以外で経験したことがない。あくまで私の少ない社会経験から導き出した答えである。人に屈辱的な怒りを与える要素など、探さなくても余っているだろう。目に見えない方が善い。

私は昼休憩を三十分しか取らなかったことを思い出した。あと三十分休める。これを理由にして、今日は残った作業がひとつも無いことから逃れるための画策に励むのをやめる。早上がりということにしよう。正当な権利としての休憩時間を主張しているだけだ、私に非はない。悪くない。きちんと権利を全うしているだけ。鬱陶しいほど気が咎める。酒で満たされた瓶で側頭部を叩きたい。死にたい。

今日はもう使わないと決めた社用パソコンを充電コードに繋ぎ、それを背にして畳に坐る。暮れるのが早くなりタイムアタックの気配を感じる冬口の日光が自室を浮かび上がらせる。まだ日暮れ特有の陰りはなく、今なら洗濯物も余計な湿気を帯びていないだろう。気分のきりがいいときに立ち上がろう。そして洗濯を片付ける。

そんなことを取り留めなく思っている頭の中に、紛れてアダルトチルドレンの文字列が過る。ああ、酒を飲める権利など、売り払って免責に換えたかった。自動車を運転できる権利など、免責の存在感に劣るのだ。責任に見合う能力の無いクソバイトの私には、正しく胸を張る仕事の仕方がわからない。消え去りたい。

私は露と消えました。探さないでください。

居ないことにして、あらゆる責任から抜け出して、存在の有であるだけで生まれる苦しみすらも躱しきって、そういう挑戦と努力の対岸へ突っ走るような夢を叶えたい。逃げている最中でさえ、息を切らして全速力などし得ない。くそ。わかっている。超現実は興が覚める。

畳に背中をはり付けて、後頭部を一定の拍で持ち上げては落とすを繰り返す。天井を見ていた。私は無能でもできる仕事以外したくない。無能のする仕事には総じて責任が微々たる量しか潜在しない。私は責任から逃れたい。負いたくない。キャパオーバーが目前すぎる。手に負えるだけの責任を最後まで世話するために、私は無能の選ぶ仕事で自尊心を維持していく。過剰な裁量を求めないで、自信を持ってこなせる技術と知識の程度と物量を、貞操帯のごとく己に課すのだ。そうして行くしかない。

本当は成人を売り払って金にするか、その事後に光が無いなら確実に死ねる手段を取りたい私の妥協。真面目系クズを蔓延らしたくはないのだ。他人の金で生きていたい。私はたしかに大人じゃない。