またなのか? 卸し立てのワイヤレスイヤホンを耳に突き刺したまま思う。何の音も聞いてはいない。耳栓にもならない詰物を、無用に耳に入れ続けると虚脱に襲われる。自分の計画したことを思うままに実行できないことに時間の無駄をひしひしと感じて地団駄を踏…
肩を叩かれた。気軽な挨拶のときの叩き方。しかし僕は別のことに取り組んでいて、肩を叩く相手と藹藹とするつもりはなかったため、そのまま歩き続けた。学校の敷地から出るまで、あと二十歩だろうという距離にいた。心持ち歩幅を大きくして、これで十歩強か…
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