翌日、仗助はカルタをやりたいと主張してきたが、百歩譲ってふたりで遊ぶのはよしとして、あいつが読み手をするといちいち間を取るせいで所要時間がとんでもなく長くなる予感がして、条件付きで承諾したら青い顔をして狼狽した。面白い顔だった。
「山のてっぺんで、普段は使わないくらいの大声を出して、今朝からずっと肩が痛いのだと叫んでみたい」 部屋には部屋ごとに照明が取り付けられているが、日が暮れるまでの僅かな間、じわじわと視野が闇に吸われていく只中に人口灯に明瞭を求めたくない感覚。…
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